「経済」−誰もが知っている言葉ですが、あらためてその意味を考えると漠然としたイメージしか浮かばない人も多いのではないでしょうか。国語辞典で「経済」を調べてみると、「物資の生産・流通・交換・分配とその消費・蓄積の全過程、およびその中で営まれる社会的諸関係の総体」と定義されています。
英訳すると「 economy 」で、形容詞は「 economic (経済の、経済学の)」と「 economical (経済的な)」があり、以下のように「eco」という接頭語がつく単語はすべて経済に関するものとなっています。
ecocide → 環境破壊、生態系破壊
ecoclimate → 生態気候
eco-friendly → 生態系にやさしい
ecology → 生態、生態学、環境保護
econometrics → 計量生態学
economics → 経済学
economist → 経済学者、倹約家
economy-sized → 徳用サイズの
ecopolitics → 経済政治学、環境政治学
ecosystem → 生態系 |
他にも「eco」がついた単語は数多く存在していて、「経済」が社会生活の基本であることがうかがえます。余談となりますが、近年よく耳にする「エコ」という言葉は「 ecology 」の略で、元は「生態」や「生態学」という意味でした。そこから派生して「環境保護」という概念を持つようになり、「エコ=環境に優しい」という図式が生まれています。
近年の経済に関する話題で一番大きなものは、アメリカで起こったサブプライムローン問題とリーマン・ショックでしょう。しかし、なぜこのようなことが起きたのでしょうか。
---------- サブプライムローンとは …
アメリカの金融機関が信用力の低い人に貸し出す住宅ローンのことを指します。通常のローンと比べて金利は高めですが審査基準が緩いため、所得が少ない人や過去に返済を滞らせたことのある人でも借り易くなっています。また、金利が段階式に上がるなど、借り入れ当初の数年間は通常のローンよりも返済負担が少なくなっているのが特徴です。
---------- なぜサブプライムローン問題が起こったか …
アメリカでは 2003 年以降の「住宅ブーム」により住宅の価格が上昇し、低所得者でもサブプライムローンで銀行やローン会社から貸し付けを受けることができていました。サブプライムローンの借り手は住宅価格の上昇分を担保にして金利の安いローンへの借り換えが可能でしたが、住宅価格の上昇が止まったために返済に行き詰まり、延滞や差し押さえが増え、結果的に不良債権化する傾向が強まりました。そして、大手住宅ローン会社が経営難に陥ったのをきっかけに、問題が表面化しました。
---------- リーマン・ショックとは …
サブプライムローン問題に端を発した米国の住宅バブル崩壊をきっかけに多分野において資産価格の暴落が起こり、 2008 年 9 月 15 日リーマン・ブラザーズは連邦破産法第 11 章の適用を連邦裁判所に申請するに至りました。これをきっかけにリーマン・ブラザーズが発行している社債や投信を保有している企業への影響、取引先への波及と連鎖などの恐れから、アメリカ経済に対する不安が広がり、世界的な金融危機へと連鎖しました。
もちろん、日本もリーマン・ショックの影響を受けています。日本経済はデフレ状態に陥り、物価の下落によるさらなる景気の悪化が懸念されています。このままではデフレスパイラルに突入してしまうと警鐘を鳴らす専門家も少なくありません。
---------- デフレスパイラルとは …
デフレ=物価が下がる → 物価が下がると企業の収益が悪化する → 企業の収益が悪化すると給与が下がる → 給与が下がると消費が控えられる → 消費が控えられると物が売れなくなる → 物が売れなくなると物価が下がる … というらせん状態( Spiral )を指します。
これに追い打ちをかけるように円高が進行しています。車や電化製品など輸出に頼っている企業が多い日本にとって円高は企業収益に直接的な影響を与えるため、政府や日銀の対応が必要とされています。
グローバル化した現在の社会では、経済に関する情報も日々刻々と変化しますが、弊社では常にアンテナを張り巡らせて最新の情報を入手し、日本だけでなく世界の経済情勢に精通した経験豊富なスタッフによる、時制に即した正確で分かりやすい訳文の提供に努めています。 |