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不動産に関する翻訳

アセットマネジメント関連のご依頼が急増しております

翻訳会社近年、不動産分野で最初に翻訳が必要とされたのは、80年代後半から90年代前半のバブルの時代に不動産会社、金融機関(特に生命保険会社)に加えて個人投資家による海外直接投資が盛んになった時期でした。 その時期に最もエポックメイキングだったのは、「ジャパンマネー」の脅威として、アメリカでの日本脅威論を広めた三菱地所のロックフェラーセンターの買収でしょう。物件概要説明書や厚さ5〜10cmになるような契約書、海外不動産の登記や鑑定に関連する書類の英日の翻訳が中心でした。しかしながら、急激な円高とバブル崩壊で、海外不動産直接投資とそれに関わる翻訳は一気に下火になってしまいました。
次に、90年代半ばになって脚光を浴びたのが、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーを中心とする米投資銀行による、バブル崩壊で経営危機に陥った日本の金融機関や不動産会社から、商業ビル、マンション、ゴルフ場などの不動産担保付不良債権をブロックで不動産ファンドを買い取る、いわゆるポートフォリオ投資(Portfolio Investment)でした。この時期に求められた翻訳は、日本の土地建物の登記や鑑定に関連の書類や不動産担保付債権、及びに、保有する企業の財務諸表や契約書等の日英の翻訳でした。
今世紀になって、バブル前後のある意味、特殊で一時的な投資形態に代わって登場してきたのが、より健全で安定した利回りを追及する不動産証券化商品です。不動産証券化には、大きく分けて、リート(不動産投資信託―REIT-Real Estate Investment Fund)、保有物件からの賃貸収入・売却収入を小口に分配する商業用不動産ローン担保証券(CMBS-Commercial Mortgage Backed Securities)と、金融機関からの借り入れを組み合わせてレバレッジ効果を狙う私慕ファンド(Private Fund)などがあります。2001年には、J-REITが登場し、その後も順調に規模を拡大してきています。
このように、不動産証券化商品への投資が中心になってきている現状での翻訳には、不動産そのものの専門性と金融商品に関わる専門性の両方が求められています。その点、当社では国内外の不動産を直接扱ってきた経験のある翻訳者と、外資系金融機関でイン・アウト両方の金融不動産商品を扱ってきた翻訳者が双方の強みを生かして、迅速で質の高い翻訳を提供しております。
また国内では、2005年のマンションの耐震強度偽装問題に対応するための法改正、それに続く リーマンショックにより不動産業界への融資額が激減し、デベロッパーの経営破綻が続いています。不動産業界の景気動向指数は、2009年前半より低迷ながらも上昇基調にありますが、予断を許さない状況といえます。このように不透明な状況においても、日本で個人的に不動産物件を探す外国人の方からの依頼や、それに付随する不動産鑑定書やその付属文書など、金融取引以外でも多くの不動産取引があり、幅広い知識と実務経験が必要な案件が多くよせられています。当社では資格を有する翻訳者が、現場で使われる特異な表現をわかりやすく訳出しています。

翻訳担当者のご紹介

翻訳会社不動産翻訳担当の山田です。

外資系の金融機関において、日本の不動産会社や金融機関が海外不動産に投資する案件を扱う一方、海外の投資家が日本の不動産に直接投資する案件の仲介・斡旋や、欧米の機関投資家が日本の商業用不動産ローン担保証券やリートに投資する際の日本の不動産市場の紹介業務などに携わってきました。海外不動産ファンドに投資される日本の投資家が、メールや手紙でのやり取りをされる際の翻訳などはリアルタイムでこなします。
→山田が担当する「金融コラム」はこちら

翻訳会社不動産翻訳担当の山口です。

宅建の資格を有しており、現場で使用される複雑な表現や慣行について熟知しています。また、財務広報会社で会計英語と事業報告、景気動向の翻訳を長年行った経験もあり、日本の不動産事情と英語表現の両方の知識を、最大限に生かした翻訳を心がけております。

過去の翻訳例

  • 各種海外不動産私慕ファンドのOffering Memorandum(募集要項)、PPM(目論見書)、Marketing Pitch(商品説明書)、Track Record(実績報告書)等の翻訳(英語→日本語)
  • 海外の不動産のRegister Book(登記簿)、Expert Evidence(鑑定書)の翻訳(英語→日本語)
  • 日本の不動産の登記簿・鑑定書の翻訳(日本語→英語)
  • 英米の不動産運用会社のCorporate Brochure(会社案内)、Annual Report(年次報告書)の翻訳(英語→日本語)
  • 欧米の不動産運用会社と日本の投資家の間のビジネスレター・メールの翻訳(英語→日本語、日本語→英語)
  • 来日予定の外国人投資家の住居に関連する一連の賃貸契約書の翻訳(英語→日本語)
  • 日本で新たに事務所を開設する米国人投資家からの依頼で、事務所の開設関連の書類一式(英語→日本語)および家族の学校や居住地に関連する案内書・説明書・パンフレットの翻訳。(日本語→英語)
  • 国内の不動産会社が海外で物件を探す際の広告文(日本語→英語)

翻訳例

ケース1
A person's primary residence is the dwelling where they usually live, typically a house or an apartment. A person can only have one primary residence at any given time, though they may share the residence with other people. A primary residence is considered as a legal residence for the purpose of income tax and/or acquiring a mortgage .

→実需案件とは、通常は居住している住居を意味し、家や アパートであることが一般的です。人がある期間に住むことができるのは、他人を共有する場合であっても一カ所だけです。実儒案件は法定住所と見なされ、所得税や抵当権取得の対象となります。
※「primary residence」は科学の「一次抵抗」ではなく「実住/実需案件」と訳します。購入者が買った物件に実際に居住する場合を指します。対照的な用語に「investment property=投資物件」があります。

ケース2
Definition: The rate of return of an asset or portfolio over a specified time period, prior to discounting any fees of commissions.

→定義:特定期間の、すべての手数料等を差し引く前の資産またはポートフォリオの利回りを指す。
※「Gross rate of return」は利回りですが、この場合は「表面利回り」と訳します。対する用語に「actual rate of return=実質利回り」があります。表面利回りから「固定資産税」や「管理費、修繕費」「修理費」「ローン返済額」「保険」などをすべて引いた利回りを「実質利回り」と呼びます。紛らわしいので訳す時に注意が必要です。


ケース3
同社の第一順位抵当権付き社債は、同社の第一順位抵当権と浮動担保権で保証されている。

→The first mortgage bonds of the corporation are secured by a first mortgage and a floating charge on the company
※「保証」なので「guarantee」を使いたくなりますが、この場合は「secure」となります。


ケース4
本会社の物的および人的財産・資産(本会社の不動産と動産)は、すべて担保権、抵当権、質権、先取特権、条件付き売買契約、不動産上の負担またはその他の負担の対象になっていない。

→All the properties and assets, real and personal, of the Corporation are subject to no security interests, mortgage, pledge, lien, conditional sale agreement, encumbrance, or charge.
※最後の「encumbrance」は、不動産に関連する「負担」によく用いる単語です。「charge」も同様です。


ケース5
対象会社の唯一の不動産の権利は、対象会社の事務所に関する不動産賃借権である。

→ The Company's only interest in real estate is a leasehold interest relating to the Company's office.
※不動産賃借権から 「interest」を連想するのは困難ですが、「不動産賃借権=leasehold interest」という固有名詞が存在します。不動産用語と金融用語は同じ言葉を使いながら、意味が異なる場合が多いので注意が必要です。


ケース6
住居の家主の多くは敷金を求めていますが、これが原因で数多くの論争や訴訟が起こっています。

→The security deposits required by many residential landlords of their tenants are the source of much dispute and litigation.
※「敷金」はsecurity depositです。イギリス英語では「foregift」となるので、依頼主の国に合わせる必要があります。この商慣行には戸惑う外国人賃貸者も多くいます。


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