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平井 平井による生化学・分子物理学・バイオ技術コラム
担当翻訳分野:生物学翻訳学術論文翻訳
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2012年07月06日
グルタミン神経系の抑制とGABA神経系の亢進

こんにちは。轄kエ翻訳事務所で学術論文翻訳を担当している平井と申します。

分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。

てんかん(epilepsy)の分類方法は主に2つです。一つは、てんかんの原因がわかっているかどうかで分類する方法です。この分類では、原因がよくわからない場合を突発性と呼び、脳の形成異常などの原因によって二次的にてんかんが生じる場合を症候性と呼びます。もう一つは、てんかん発作の始まり方によって分類する方法です。この分類では、発作の当初から発作が両側の大脳皮質全体に広がっているケースを全般発作と呼び、片側の大脳皮質だけに広がっているケースを部分発作と呼びます。

グルタミン酸は興奮性神経伝達物質の一つなので、このグルタミン酸の遊離を抑えることで、異常な電気信号の発射を弱めたり、電気信号が広がらないようにしたりできます。グルタミン酸の遊離を抑えるためには、グルタミン酸神経系におけるNaチャネルやCaチャネルからのNaイオンやCaイオンの流入を抑えればよいのです。

一方、GABA神経系は興奮を抑える機能をもっているので、GABAの量を増やしたり、GABA受容体の機能を亢進させたりすれば、発射されてしまった信号が脳全体に広がっていくことを抑えることができます。

抗てんかん薬としてまず用いられる第一選択薬の多くは、主にグルタミン酸神経系の抑制作用をもつものです。

バルプロサン酸ナトリウム:全般発作、部分発作に有効な薬で、第一選択薬の中心的な薬物です。グルタミン酸神経系のNaチャネル、T型Caチャネルを遮断して、グルタミン酸神経内における発作性脱分極(インパルス)を抑える力を示します。また、GABA合成酵素の増強とGABA分解酵素の抑制により、GABA量を増やして、GABA神経系を増強させる力も合わせもっています。

カルバマゼピン:部分発作の時の第一選択薬です。グルタミン酸神経のNaチャネルを遮断して、発作性分極を抑えます。

フェニトイン:部分発作と硬直間代性発作に有効な薬です。グルタミン酸神経のNaチャネルを遮断します。
エトスクシミド:欠神発作に有効な薬です。グルタミン酸神経系でT型Caチャネルを抑制します。
フェノバルビタール:部分発作と硬直間代性発作に有効ですが、眠気などの副作用が強いので、第一選択薬として使われることは少なくなっています。
プリミドン:部分発作と硬直間代性発作に対して有効ですが、鎮静作用が強いので使われることが少なくなっています。
クロナゼパム:全般発作や部分発作に対して第二選択薬としてよく併用される薬です。
ガバペンチン:海外では第一選択薬として用いられていますが、日本では部分発作の第二選択薬として併用されています。GABAトランスポーターを活性化して脳内のGABA量を増やします。
トピラマート:他の系にない作用として、AMPAカイニン酸型グルタミン酸受容体機能の抑制作用を発揮します。
ラモトリギン:小児への適応をもつ新しい抗てんかん薬で、さまざまなタイプのてんかんに用いられています。

どんな病気でも、薬を減らしていき、やがて薬がなくてもよい状況になることを目指して治療が行われます。抗てんかん薬の場合は、薬を服用して2〜5年間発作がなく、脳波も正常化していたら、徐々に薬を減らしていく時期だと考える医師が多いようです。

轄kエ翻訳事務所   医学翻訳分子生物学翻訳生化学翻訳担当:平井


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