こんにちは。轄kエ翻訳事務所で学術論文翻訳を担当している平井と申します。
分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。
MRIはmagnetic resonance imagingの略で、日本語にすれば「核磁気共鳴イメージング」です。この難しい言葉の羅列からも想像できるように、数ある医療機器の中でも最も難解な理論に基づくものです。その原理に関わる一連の発明・発見に対して、過去50年間で少なくとも6名の科学者がノーベル賞を授与され、今なお「一番貢献したのは自分だ!」と主張して譲らない人がいるなど、話題は尽きません。
NRI装置はどんな形をしていて、CT装置とどう違うのでしょうか。その価格が1台2〜10億円と高いため、メーカー間の売り込み競争が激しく、デザインも大変おしゃれになっています。CT装置との違いは、@危険なX線を使っていないこと、A体の縦断面も撮影できること、B微妙な濃淡がよりはっきりと見えること、C造影剤なしで血管を映し出せることなどです。特にインパクトが大きかったのはBで、CT画像では見えないような小さな脳梗塞が鮮明に見えるようになったことや、関節の内部が自由自在に見られるようになったことかもしれません。
CTとMRIのどちらが有用かは、検査の目的によって違います。たとえば脳の病気の場合、脳出血はCT、脳梗塞はMRIのほうがそれぞれ有利とされています。しかし、両者の優劣は技術の進歩とともに刻々と変化しているため、「どちらを使うべきか」で頭を悩ませる医師も多いようです。
経済協力開発機構(the Organization for Economic Cooperation and Development:OECD)のデータによれば、我が国におけるMRI装置の設置台数は、国民100万人当たり約45台となっていて、世界一の多さです。OECD加盟各国の平均が約10台に過ぎませんから、いかに多いかがわかります。これに対して、諸外国からは「濫用しているのでは」という批判もあるようです。
轄kエ翻訳事務所 学術論文翻訳担当:平井 |