こんにちは。轄kエ翻訳事務所で学術論文翻訳を担当している平井と申します。
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眼底カメラにいくつかのブレークスルーがありました。瞳孔から眼底を隅々までのぞくのは難しく、病院で眼底の精密検査を行う際には、瞳孔を開くための点眼薬使います。しかしこの薬は作用が強く、検査が終わった後も「まぶしい」「視野がぼやける」などの症状がしばらく残ります。その間は車の運転もできません。また副作用もあり、健診など多くの人を対象にした検査には使えませんでした。
眼底カメラが普及した最大の要因は、この点眼薬を使わなくとも撮影ができるようになったことです。小さな瞳から内部を撮影するのはただでさえも大変ですが、きれいに写すために照明を当てるとますます瞳が狭くなってしまうというジレンマがあります。試行錯誤の末にたどり着いたのは、赤外線などを使用することでフラッシュ光を弱め、また受診者にはしばらく暗室にいてもらい、瞳が闇に慣れてから撮影を行うという方法でした。こうして開発された装置は、無散瞳眼底カメラと呼ばれます。
この技術が実用化したのはかなり以前のことで、最近では眼底を自動的に探し出し、自動的にピント合わせがなされるというハイテク無散瞳眼底カメラも登場しています。
画像処理技術(image enhancement technique)は、眼底カメラにさらなる進歩をもたらしつつあります。眼底のパノラマ写真で、血管の位置を自動的に検出し、コンピュータ上でつなぎ合わせるという高度技術が駆使されています。
失明の原因となる病気で多いのは、糖尿病のほかに緑内障があります。緑内障は、眼球内の圧が高まって網膜の細胞が破壊されてしまうという病気で、乳頭が陥没してしまうという現象が認められます。しかし1枚の眼底写真で凸凹を判断するのは難しく、レーザー光線を使ったり、あるいは2方向から眼底を撮影したりする技術が研究されてきました。
轄kエ翻訳事務所 学術論文翻訳担当:平井 |